1997年9月新発田市議会一般質問

1997.9.9 新発田市議会9月定例議会一般質問 市議会議員  佐藤浩雄

地方分権推進委員会第二次勧告と市町村合併

通告に従いまして質問いたします。政府の地方分権推進委員会は、去る7月8日第二次勧告 をまとめ、橋本首相に提出いたしました。
それによりますと、第一次勧告で示された機関委任事務の廃止に伴い、国と地方の役割分 担は、自治事務に384項目、法定受託事務に260項目、国の直接執行事務に7項目、と なっており約60%は地方の仕事になりました。また市町村が決定する都市計画の範囲も拡大 されております。国庫補助負担金の整理については、国庫負担金については10年毎に見直す。 補助金については補助率の低いものは原則廃止、期間は5年で原則廃止、各省庁が削減計画を 作成する、補助金の適用条件の緩和、補助対象施設の転用緩和などが盛り込まれております。
地方税財源の充実については、地方税についての法定外普通税の許可制の廃止、法定外目的 税の新設、個人市町村民税率の上限廃止が提言されております。
地方交付税については算定方式の簡素化が、地方債については発行許可制の廃止が提案され ております。地方行政体制の簡素化については、中核都市の指定用件緩和、合併協議会の設置 のための住民投票制度導入、都道府県による合併の区割り例提示、首長の多選制限の検討が提 案されております。また地方議会の活性化が取り上げられ具体的に休日や夜間議会の開催、住 民と議会の意見交換の場の設定、女性と勤労者の立候補を容易にする環境整備が提案されてお ります。
私は、この第二次答申を見て率直に言って失望いたしました。私たち地方議会に生きるものにとっては 第二次答申に大きな期待を寄せていたからです。
今回の勧告には問題はいろいろありますが、その代表的な問題の第一が地方財源問題です、地方財源問 題は、抽象的表現で具体性が無く、切り込んでおりません。地方財源項は、「地方への事務権限が移譲 された場合は、地方税・地方交付税等の必要な地方一般財源を確保する。地方への税源移譲、地方交付 税の拡充についても検討する」となっており何ら具体性がないのです。確かに地方債の許可制限につい ては廃止され、起債発行は事前協議制となり、合意できないものは自治体の起債が認められ、その代わ り国から議会へ通知され、議会のチェックを厳しく受けることとなりますが自治体の権限となりました。 また地方税の法定外普通税の許可制の廃止、法定外目的税の創設、個人市民税の上限撤廃などの財政自 主権が前進した面はありますが、3割自治と言われる国と地方の事務事業と財源のギャップを根本的に 直さなければならないのに、何ら具体性が無く、国税の何を地方税財源にするのか切り込んでおりませ ん。機関委任事務が廃止され自治事務が6割となったわけですからそれに見合う財源がなければならな いのに具体化されていません。また国庫補助負担金はそれぞれ廃止され、一般財源化され、国庫負担金 は毎年見直されることになっているのにその税源配分については切り込んでおりません。交付税につい ても今日約16兆円も交付税特会に借入金があり、いますぐ交付税財源の税率を変更し、交付税法の6 条の3の2の違反状況を改善しなければならない事が、地方制度審議会や自治省財政課長内簡に指摘を されているのに改善に切り込んでいなく、交付税制度の簡素化等というとんちんかんな方向にいってし まっています。9月9日の日経の報道によれば、大蔵省は交付税の「特例措置」分1兆円を減額する方 針を決め、自治省と鋭く対立していると伝えております。交付税は本来地方自治体固有の財源にもかか わらず、国のバブル崩壊後の景気対策の借金の付け回しを受け、膨大な借金になったものなのに、ここ でさらに交付税の減額となれば地方自治体の財政は危機に瀕することになり、許せることではありませ ん。もしこのまま地方に権限が移譲されても必要な財源がおりてこなければ、むしろ中央集権の強化に つながるものであり、分権型社会に逆行することになります。地方分権推進委員会は「自己決定、自己 責任の確立」を提起しておきながら、この第二次勧告では国民を欺くものではないかと思うのです。第 二次答申の地方財源問題は明らかに後退です、これは明らかに地方6団体が求めていたものとは違って います。今こそ地方団体は一致して抗議改善を求めるべきではないでしょうか、市長のお考えを明らか にしていただきたい。国庫補助負担金の廃止は、前段で触れた内容になっていますが財政構造改革会議 や自民党税制調査会との調整が必要との枠がはめられたために、全体としてきわめて抽象的な表現にと どまっています。当初毎年15から20%の削減を打ち出していたものから大幅に後退いたしましたし、 具体的な廃止は100項目の内9項目にすぎません。これではまさにマスコミが言っている地方の自立 の道は険しいと言わなければなりません。補助金、負担金の整理合理化がこの程度で済まされて良いの か、市長もご不満でしょうから市長の見解を明らかにして欲しいのです。
もう一つの大きな問題はこの第二次勧告にある「地方行政体制の整備・確立」の問題です。具体的には、 「国・地方を通じた財政再建が急務」であり、「簡素で効率的な地方行政体制を実現することが喫緊の 課題」であるとし、「行政改革の推進」、「合併の推進」、「地方議会の活性化」、「住民参加」「公 正確保と透明性」、「首長の多選見直し」が提起されております。この問題は、地方分権推進法では、 「行財政改革、行政の公正確保、透明性向上、住民参加の充実を図り、地方分権の進展に応じた地方公 共団体の行政体制の整備及び確立を図り、国はそのため必要な支援を行う。」と定めている趣旨とは相 当違い、財政再建のための行財政改革をどう推進するのかが強調されています。この点は国の財政再建 =地方行革の推進の路線を踏襲しており、地方分権推進法とは逆転をしており、異様であるとさえ報道 されております。この点を市長は十分吟味し行革に取り組んで欲しいと思います。 新しい提言の一つ に、地方議会の活性化が取り上げられ、「議員の議案提出要件の緩和、議会事務局の職員の調査能力、 政策立案能力、法制能力の向上、共同研修、相互の人事交流、議会関係の情報公開、休日・夜間議会の 開催、住民との意見交換の場の設置、女性・勤労者の立候補の環境整備、議員の専門職・名誉職かの身 分問題等が提言されております。 自己決定・自己責任の分権型社会ではチェック機関である議会の能 力のアップをはからなければなりません、この点、議会に関わる問題ではありますが、市長の感想があ ればお聞きしたいのでございます。
また第二次勧告では、市町村合併を促進するために、中核都市の権限拡大、要件緩和、中核都市に準 ずる特例の創設、合併協議会設置のための住民投票制度の導入や県による合併の区割りの例示、先進事 例紹介、交付税により支援措置について必要な見直しを行った上で財政支援措置の拡大、合併特例法に よる財政上の支援措置の継続拡充、合併協議会設置請求があった場合、長の議会への議案の付議の義務 付け、否決された場合は住民投票により設置が促進される制度の見直し、議員の任期・定数の特例措置 は継続し見直す等が明記されており、明らかに自主合併を促進する姿勢が明確です。この点市長はどの ようにお考えでしょうか。
これは明らかに連合を志向する方向でなくて合併を目指しております。この点は新発田市広域事務組合 と異なる方向ですが市長のお考えを明らかにしていただきたいにであります。

また私は、去る6月議会で「地方分権の推進と市町村合併について」を質問いたしました。 その中で、 新発田市は連合ではなくて合併が適しており、新発田市と周辺市町村の財政分析比較をしてみると、合併 が効率的で有効であることを明らかにして参りました。従って、ある時期には大胆に合併協議会を提起す べきであると市長に迫りましたが、3回目の答弁では周囲の状況は「連合を勉強したいと言っている」と 答弁いたしました。今回に地方分権第二次答申は合併推進は明らかであります。また5年前に私が新潟1 00万都市構想に対抗し、将来の周辺市町村との合併を推進するために提案し、当時の二階堂議長の努力 で作られた、聖籠町や豊浦町との議員協議会においても研究課題に合併問題が出てきており、努力が実り つつあります。
また平成7年に施行された市町村合併特例法によれば、国の財政支援を見ても「合併都市づくり推進事業」 の創設により30%の地方単独事業が実施可能であったり、合併補正の基準財政需要額が元利償還の15% 相当額の参入が提起されております。また合併算定替とその適用期間の延長により、合併による交付税の不 足に対する補填、適用期間の延長が決められております。合併後の議員や農業委員の身分も特例措置で定数 や延長が決まっております。この様なときに何故広域が連合を研究しなければならないのかよく分かりませ ん。この点も明らかにしていただきたいのでございます。
このような状況下で去る9月4日の朝日と読売の報道によれば、「近市長と豊浦町の芹野町長の会談が行わ れ、両市町が近い時期に合併する方向で今後具体的に準備することで初めて合意した」「近市長は、合併につ いても私も賛成であり、議会を通じて市民に説明したい」と伝えております。 そこには「年内に合併促進協 議会を設立する考えを明らかにした」とも報道されています。また、去る4日開催された豊浦町との議員協議 会役員会で、豊浦町西澤議長の方から「豊浦町では全員協議会が2回も開かれ合併の協議を行った、合併相手 に南部郷や豊栄市、新発田市や中部郷の話が出たが、大方の人は合併するなら新発田市と一緒になるべきであ るとなった」と報告され、我々役員は、豊浦町町議会議員に本当に感謝してまいりました。このように、市長 がつい3ヶ月前答弁した事態と状況は一変しております。市長はこの第2次勧告を見て連合から合併に方針を 変えたのでしょうか。 何れにせよ、もし新聞報道通り年内に合併協議会を設置するならば、直接請求に基づ かない合併協議会の設置でありますから、任意協議会を設置することになると私は推測いたしております。そ こには合併協議会に位置ずけ、合併協議会の組織、合併協議会における協議事項として、市町村建設計画の作 成、議会の定数、在任の特例、職員の身分、地方税の不均一に関する協議、財政計画など多くの問題を協議し なければなりません。ひたちなか市の例を見ても特別委員会と合併協議会に数年を要しています。また新発田 市を取り巻く多くの市町村との関係もありますので十分協議しなければなりません。         そこでおうかがいいたします。
第一に、再度お聞きしますが、市長は「合併を推進したい」と言っておりますが、そのように理解してよろ しいのでございましょうか。
第二に、前6月議会から何故短時間に態度を変えたのか、地方分権第二次勧告を見たからなのか、それと も市長独自の戦略があるのかを明らかにしていただきたい。豊浦町との合併は今後の周辺市町村や広域事務組 合の方針の大きな影響があると思われるのでその位置ずけを明確にしていただきたい。県に対する報告もある でしょう。
第三に、報道されていることが正しければ、年内に合併協議会を設置するとすると、それは任意の合併協議 会と思うが、市長の考えを明らかにしていただきたい。
第四に、「市長が考え方を議会を通じて明らかにする」と報道されていますが、そうだとするなら今後の計 画をここで明らかにしていただきたいのであります。
最後に誤解があると困るので、私は合併を推進してきた1人として、豊浦町との合併の話はこれほどうれしい ことはありません。しかし、合併はまず第一に強制されてやるのではなく両市町の住民が自主的に決定するもの であります住民の十分な理解が必要であります。その上合併にはいろんな政治的な利害関係もあり、豊浦町西澤 議長からお聞きするとすでにいろんな電話が来ると話しておりました。新発田市の100年の大計を考えるとど うしても合併は成功させなければならないのです。それだけに新発田市は今、一丸とならなければなりませんし、 合併にブレーキをかけるようなことは厳に慎まなければなりません。前回も要請いたしましたが、釈迦に説法で すが市長に慎重な態度と大胆な決断を要請しておきます。以上で質問を終わります。
以上

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